ご自身のツイートがTwitter以外の外部のWebサイトに公開されていた経験はないでしょうか。実際にご自身のTwitterアカウントの@以降の文字、あるいはTwitterアカウント名などでGoogle検索すると、ご自身のツイートが外部サイトに公開されていることがあるかもしれません。ご自身ではなくても有名な方のアカウントをGoogle検索すると、ほとんどTwitter以外の外部サイトにツイートが公開されているかと思います。
もしかすると、これを見て無断転載だと思う方もいるかもしれません。今回はこの件について、説明していこうかと思います。
どういう仕組みで外部サイトに公開されているの?
外部サイトに公開されているツイートはほぼTwitterが提供しているAPIを利用してツイートを取得しています。(中にはAPIを利用していない場合もあるかもしれませんが、趣旨からズレますので、考慮しません。)
例えば、ある開発者があなたのツイートの一覧が欲しいとします。こんなときのために、TwitterではAPIというツイートをまとめて取得できる窓口のようなものを提供しています。
この窓口にこのユーザのツイート一覧を欲しいと問い合わせすると、一度にまとめて大量のツイートを取得することができます。開発者はこの仕組み(API)を使用して、ツイートを取得してサイトに公開しています。
無断でやったら問題じゃないの?
ツイートを取得して公開する仕組みはわかりました。ただ、これをツイートをしている人に無断でやったら問題じゃないの?と思う方もいるかもしれません。(いわゆる無断転載と言われているもの。本当はTwitter社に許可を得ているので無断ではないのですが。)結論から言うと、全く問題ありません。
TwitterにはTwitterサービス利用規約というものがあります。こういうことはやってはいけないとか、ツイートをどういうことに使用するかとか、所有権など各種権利はどう扱うかなどのTwitterと利用者の間の決め事です。Twitterを利用するには、この規約に同意しなければならないし、守らなければなりません。(守らないとアカウントが凍結されたりします。)
この規約には次のことが記載されています。
ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿または表示することによって、当社が、既知のものか今後開発されるものかを問わず、あらゆる媒体または配信方法を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンス(サブライセンスを許諾する権利と共に)を当社に対し無償で許諾することになります(明確化のために、これらの権利は、たとえば、キュレーション、変形、翻訳を含むものとします)。このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります。
Twitterサービス利用規約から引用
上記の通り、ユーザーは第三者によって閲覧可能とすることを承認する必要があります。規約ですのでこれは守らなくてはいけません。
ユーザーは、本サービスまたは本サービス上のコンテンツの複製、修正、これに基づいた二次的著作物の作成、配信、販売、移転、公の展示、公の実演、送信、または他の形での使用を望む場合には、Twitterサービス、本規約またはhttps://developer.twitter.com/ja/developer-termsに定める条件により認められる場合を除いて、当社が提供するインターフェースおよび手順を使用しなければなりません。
Twitterサービス利用規約から引用
また、Twitter上のコンテンツを使用する場合はTwitter社が提供するインターフェース(APIもインターフェースに含まれています)を利用しなければなりませんが、逆に言えばAPI経由であればツイートを取得して公開しても問題ないことになります。ちなみに、API以外の方法、例えばスクレイピング(Webサイトから情報を直接取得すること)や脆弱性をついてツイートを取得することは禁止されています。
なお、規約に同意した覚えはない、というのは通用しません。なぜなら、Twitterのアカウントを登録するときに規約に同意することを求められるし、同意しないとTwitterを使用することはできないからです。
広告が掲載されているけど、これはいいの?
サイトによっては、ツイートを掲載した上で広告も同時に掲載している場合があります。ようするに、他人のツイートを掲載して収益を得ていいのか?という問題ですが、これも問題ありません。
Twitterサービス利用規約を引用します。
ユーザーは、Twitterより本サービスへのアクセスとその利用について許諾を得ることの対価として、Twitterならびにその第三者プロバイダーおよびパートナーが、本サービス上に広告を掲載すること、またはコンテンツもしくは本サービスから得られる情報(その提供者がユーザーであるか他者であるかを問わず)の表示に関連した広告を掲載することに同意するものとします。
Twitterサービス利用規約から引用
簡単に言うと、Twitterを利用するならTwitterおよび第三者が広告を掲載することに同意してね、ということです。
それでも外部サイトに公開されることは嫌だという人へ
ここまでで第三者があなたのツイートを取得し、外部サイトに公開する可能性があるといった話をしました。それでも自身のツイートが外部サイトに公開されるのが嫌だと思う人はどうするべきでしょうか。
1. 鍵付きアカウントにする
Twitterには自分のアカウントに鍵をかけることができます。鍵をかけることで、自分が許可しか相手にしかツイートを見ることができませんし、API経由でのツイートの取得もできないようになっています。
2. 外部サイトに公開されて困ることはツイートしない
TwitterはLINEのようなクローズドなSNSではなく、オープンなSNSです。
ツイートした瞬間、その内容は全世界で閲覧可能な状態になりますし、外部サイトに公開される可能性もありますので、それを理解した上で外部サイトに公開されて困ることはツイートしないことが一番です。
3. 規約を変更してもらうようにTwitterに問い合わせをする
鍵をかけたくない、外部サイトにも公開されたくない、という場合はTwitterの規約を変更してもらうしかありません。メリットがあれば変更されるかもしれませんが、ツイートを外部に公開することを禁止にすると、サードパーティ製のアプリケーションやWebサイトが軒並み消えることになります。メリットよりデメリットの方が大きいですし、実際には難しいでしょう。
なお、外部に公開されたくないからといってTwitterのプロフィール欄に「無断転載禁止」といった記載されている方がいますが、APIを利用したツイートの取得および公開であればTwitterの規約上認められていますので、効果はありません。
まとめ
あなたのツイートはAPIによって取得され、外部のWebサイトやアプリで公開される可能性があります。このことはTwitterのサービス利用規約に記載されておりTwitterを利用する際に同意しているはずなのですが、実際問題ほとんどの方は規約を読んでいないと考えられ、このようなルールを知らない方も多いかと思います。
利用者は外部サイトに公開される可能性を考慮した上で、Twitterを利用することを強くおすすめします。